日時:10月31日(土)12時30分プレイボール
会場:サーティーフォー相模原球場
惜敗も、チームとともに
最後まで戦った4年間
獨協 011 010 100 4
大東 200 010 000 3
江村、稲垣、山中ーM田
秋季リーグWグループを2位で終えた本学はRグループ2位の獨協大学と総合3位をかけて、4年生にとって最後の戦いである一発勝負の順位決定戦に臨んだ。
そんな大一番に先発を託されたのはエースの江村伊吹、そして学生コーチの和田口が考えたという大東ナインで、昨年優勝決定戦で対峙した、獨協大学に挑んだ。
初回、早速相手の先頭打者で、先日のドラフト会議でヤクルトから5位で指名を受けた並木秀尊との対戦を迎えた。うまく合わせられたものの、武者壮輝のファインプレーが光り、初回を無失点に抑える。するとその裏、この日初の出場を果たした4年生の斎藤が出塁し、同じく4年の石栗がタイムリーを放ち2点を先制した。
しかし、獨協大学に2.3.5回に1点ずつを入れられ逆転を許し、5回を投げ切った江村はここで降板。するとその裏、岡本がタイムリーを放ち、2塁走者の主将増田が激走し決死の生還。同点に追いつき江村の黒星を消した。
振り出しに戻した本学ではあったが、最後は相手の並木秀尊の俊足が光り決勝点を献上。最終戦を3-4で落とした。
しかし、選手たちの顔には悔しさよりも、達成感であふれていた。その真意について今季ベストナインに輝いた武者壮輝は「今大会を通じて4年生全員がヒットを打つなど、チーム一丸となれたことが一番良かった」と話す。
また監物監督も「1部に復帰しようと言ってきた矢先に目標を見失い戸惑った時期もあったと思うが、学生たちでしっかり話し合ってやってきて、最後は昨年以上に一体感のあるチームになったと思う。最後の試合は負けてしまったが、プロ入りの決まっている相手選手と戦い、野球を続ける選手は刺激になったし、各選手にとってもかけがえのない経験になった」と、逆境の中で一丸となった選手たちを称えた。
インタビュー
増田陸主将
Q.コロナ禍や雨などで思うような試合が中々できない中で迎えた最終戦でしたが、どのような思いでしたか。
優勝しようという思いでスタートして、結果的にはそれは叶わなくなってしまったが、最後までみんなでやり切ろうという思いだった。
Q.相手は昨年の優勝決定戦で対戦した獨協大学、プロ入りを決めた並木選手も在籍していますが、相手については。
リーグ2位でしたけど、とても強いチームですし、1番対戦したい相手でもあったので、厳しい戦いになるとは思いましたが、そういう相手と最後試合をする事ができて良かったです。
Q.5回の生還のシーンについて
足を怪我していたのですが、あの場面で生還するかしないかで流れも大きく変わるので、走るという選択肢しかなかった。人生で1番激走しました。
Q.本日を振り返って
2本ヒットを打てて良かったという点は嬉しかったですが、チャンスと最後の打席で打てなかったのは悔いが残った。まぁ人生全てはうまくいかないなという感じです。
Q.昨年度までDHなどでの出場が多かった中で、今年度は主将となり一塁手で出場を重ねましたが昨年までとの変化はありましたか?
監督が信じて一塁手にしてくださったので、大きなミスなくやれたのが良かった。今日は投手陣が盗塁などを警戒していたがそこも含めて、元々守備が上手いタイプではないですが、上手くやれたと思います。
Q.主将としての1年間を振り返って
シーズンが始動して沖縄にキャンプに行ったり、順風満帆だったんですけど、そこから約4ヶ月間試合が出来なくて、チームとして目標を見失いかけてた時もあったんですが、最後はチームとしてここまで来れたことに満足しています。
Q.4年間を振り返ってや、お母さんに伝えたい事などは?
野球をやる上で様々なことを犠牲にしてきたなかで、今日負けてしまいましたけど、大東文化大学でここまでやり切ることが出来て報われたという思いです。
ここまでチームメイトや監督の力、色々な人の助けをもらってやって来れましたが、やっぱりここまで自分がやれたのは親の支えがあってこそだと思うので、やっぱりそれなりに費用もかかる野球をここまでやらせてもらえたのは本当に感謝しかないです。
Q.これからの進路について
野球は怪我もあり、ここで終わりになるんですが、15年間後悔なくやれたと思います。野球を通じてチームや、人としての在り方を学んだので、競技は続けないですが、これからの人生にしっかりと活かしていきたいと思います。
江村伊吹選手
Q.ドラフト会議後の最終戦、どのような気持ちで臨みましたか?
かからなかったというのは悔しいですけど、気持ちを切らさないでこの試合に臨めたと思います。
Q.相手の獨協大、そして並木選手について
今年はすごい意識していたんですが、初回は武者の良いプレーに助けられたものの、第2.3打席は四球を出してしまったので、もっともっとうまくならないとなと思います。
Q.コントロールに苦しむ場面もありましたが今日の仕上がりについて
コントロールはアバウトになってしまったが、ストレートは走っていたので力で押して三振は取れたのは良かった。
Q.5回3失点という結果について
チームが勝てなかったというのは責任だと思います。
元々5回で終わるというのは決まっていて、ずっと一緒にやってきた稲垣にマウンドを託せたと思います。
Q.4年間を振り返って
長かったようで短かった4年間であったと思います。中でも3年生の、2部優勝がかかった春季の明星大戦、獨協大戦はとても印象に残っています。
高校からの先輩がいて大東文化に入って、1部リーグも経験出来たし、とても濃い4年間だったと思います。
M田貴徳選手
Q.どのような思いで試合に臨みましたか?
大学のチームメイトとの最後の試合になるので、勝って終われたら最高でしたけど、何よりみんなで楽しもうという思いで試合に臨みました。
Q.相手の獨協大学について
やっぱりこういう最後の節目となる試合でまた当たる事になったので縁があるのかなと思いますが、相手がどこであっても自分たちの野球をやろうとは話していた。
Q.相手の俊足を生かした盗塁などもあったかと思いますが、捕手として意識はしていましたか。
なんとか指したかったですけど、そこはやっぱり相手が上手かったですね。速かったです。
Q.今日を振り返って
結果としては負けてしまいましたが、ベンチの雰囲気も良くて、4年生も沢山試合に出ることが出来て、自分としても出し切れたので悔いはないです。
Q.江村選手、稲垣選手、山中選手と3人の4年生の球を受けましたが、何か感じるものはありましたか?
4年間受けてきて、今日が最後になると思って3人とも組んだんですけど、やっぱりその思いとかも伝わってきましたし、楽しかったです。
Q.4年間を振り返って
3年生からレギュラーになって、1部に上がって良い経験も出来ましたし、チームメイトと野球ができて良かった。
Q.今後について
プロに行けなくて悔しい気持ちはあるので、野球を続けられたらという思いはあります。
これから数年後どうなるかはまだわかりませんが、もう一回野球をするからにはプロを目指してやりたいと思います。
武者壮輝選手
Q.最終戦にどういう思いで臨みましたか?
去年の入れ替え戦と違って順位も3位決定戦だったので、もちろん大事な試合ですが、勝つというよりはみんなと悔いなく楽しくやるというのが一番の目標だった。
Q.相手の獨協大学は昨年の優勝決定戦で戦った相手で、プロ入りを決めた並木さんとの瞬足対決となりましたが、意識していましたか?
並木さんとは普段から仲良くしているので意識はしていました。今日の初回もなんとなく飛んでくるかなと思って構えていたので良いプレーが出来ましたし、あとはキャプテンの伊藤とかとも仲が良いので獨協大は知り合いが多いというか、対戦して非常に楽しい最終戦でした。
Q.並木さんについて、子供の頃から埼玉で切磋琢磨してきた訳ですが、何か特別な思いはありましたか?(武者:山村国際、並木:市立川口)
仲良くなったのは大学に入ってからなのですが、やっぱり同じ足の速い選手ということで、あっちが意識してるかは分からないですけも、自分はとても意識していました。
Q.先ほどの並木さんのインタビューで、「大東は江村さんや武者さんなど上手い選手が沢山いるので、とても意識していました」と並木さんが話していました。
並木がですか?本当にそれはめちゃくちゃ嬉しいですね。盗塁の数とかも競ってきたので、プロでも頑張ってほしいですね。
Q.今日の結果を振り返って
負けてしまいましたが、悔しい気持ちよりも、みんなと野球が出来なくなる寂しさの方が大きい。でもみんな四年生出れて、今日石栗と斎藤が打ってリーグ戦で多分全員ヒットを打っているので、結果とか自分の事ではないですけど、それが一番嬉しいです。
Q.4年生全員で戦えたと言うことが今日の一番の成果ということですね。
勝ちよりも幸せなことだと思います。
Q.4年間を振り返って
一年生の秋からリーグ戦で使い続けてもらって、三年生には優勝と昇格して首位打者もとれたのが嬉しくて、1部で戦えたのも嬉しかったですし、今年は弟と1.2番で二遊間を組めたのが嬉しかったです。弟にもこれから頑張ってほしいです
Q.弟さんは一言で言うとどんな選手ですか?
弟は自分と違って俊足というよりパンチ力のあるバッターですね。坂本勇人(巨人)みたいな感じです。
Q.これからの具体的な目標や夢などはありますか。
野球が出来る期間というのも限られていると思うので、しっかりとやり切って、次のステージに行けたらそれは嬉しいですし、行けなくても会社にしっかりと貢献したり、いずれは教員免許を生かして指導者になるとか、しっかりと自分の使命を果たしていきたいです。
Q.同級生について
教員になる人もいますし、野球を続ける人もいるので、都市対抗野球とか指導者同士であったりするのが楽しみですし、切磋琢磨していければ良いかなと思います。
Q.野球部で得たこと
チームのために、先輩後輩に限らず良いと思ったこと聞くことですね。プライドを持たずにアドバイスをし合ったりとかを積極的にするこどが、結果的に自分のためになるという事を学びました。
岡本大和選手
Q.四年生になってスタメンを掴み取った秋季リーグを振り返っていかがですか?
大学でリーグ戦に出たのは初めての経験でしたが、監督は多くの選手にオープン戦などで実戦を積ませてくれているので、緊張することは特になくて、やり残したことがないようにやり切ろうと思い打席に立っていました。
Q.昨年ミスターコンテストのあと、次は野球で結果を出して活躍して、取材を受けたいとおっしゃっていましたが、一年が経ち最終戦が終わりましたが、振り返っていかがですか?
成績という面では他の人と比べると打てていないとは思いますが、今日こうやってチャンスで打てたというのが4年間やってきた積み重ねが実ったのかなと思います。
Q.ではタイムリーを放った3打席目について
1.2打席目は三振してしまっていたので、本当に無心で集中していました。どの球を打ったとかも覚えていないのですが本当に打てて良かったです。
Q.今までの野球人生を振り返るといかがですか?
中学校から明徳義塾に入れさせてもらって、中高大と野球をやらせてもらっている親には感謝してもしきれないですし、4年間お世話になった監督にも本当に感謝しないといけないなと思います。
Q.何か監督とのエピソードなどはあったりしますか?
下級生の時に肩を壊してしまって、塁間も投げられなくなってしまって、もう野球を辞めようと思った時期があったのですが、その時に監督さんから「腐るなよ」と言葉をいただいて、内野でプレーさせてもらったりとか、色々工夫して今季も我慢して使ってもらっていたので、監督と、同級生にも感謝したいです。
Q.これからどのように生かしていきますか?
野球やっていて嬉しかった事もありましたが、悔しいことも多くて多分3:7くらいで悔しいことが多かったんですけど、やっぱり3割の嬉しさを得るためにここまでやってきましたし、社会人になって様々な苦労や困難があると思うので、その経験を糧に、嬉しいと思えるように頑張りたいと思います。
プロ入りを決めた獨協大学の並木選手にインタビュー!
大東大のイメージや、首都2部出身の選手としてのこれからの意気込みを伺いました。是非ご覧下さいませ!
獨協大学 並木秀尊選手
Q.プロ入りが決まってからの最終戦となりましたが、どのような思いを持ってこの試合に臨みましたか?
プロ入りとかは抜きにして4年生でやれる最後試合なので、プレッシャーはありましたが楽しく勝ち行こうという思いで臨みました。
Q.大東大は昨年の優勝決定戦でも戦ったある意味因縁の相手ですが、何か特別な思いはありましたか?
あの時は負けてしまった上に2.3安打完封だったので悔しい思いはありましたが、前は前なので、試合中はそこまで気にせずに出来たと思います。
Q.大東大の選手の印象
江村投手に対しては苦手意識があったが、1打席目に立って昔の自分とは違うなという感じはしました。
あとは相手の武者選手とか、いい選手が多いので、試合の中で高め合ってというか、大学最後にふさわしい試合が出来たと思います。
Q.四球から塁にでて足を生かした走塁というプレーがいくつもありましたが、今日のご自身のプレーについて
今日は4回中3回塁に出られて、足でチームに貢献出来たというのは良かったです。3回の3塁でのゴロの場面は打者を信じて走りました。
Q.獨協大初の、そして首都2部からNPB入りの快挙ですが、今の心境やこれからの意気込みはいかがですか?
去年の自分からしたら想像も出来ないですが、初という事で看板を背負う事になるので獨協野球部や首都2部が注目されるように自分も活躍していきたいと思います。
【小山智也】