2012年05月05日

【相撲部】OB武州山関特集

平成24年の大相撲3月場所を8勝7敗の成績で勝ち越した本学相撲部OBの武州山関が、4月11日に本学を訪れ、市川護理事長や太田政男学長に結果報告をした。プロの道に進んで14年、これまでもずっとそうであったように、場所が終わると稽古と巡業の合間に時間を作り、母校を訪れてくれるのだ。

もう、何年前になるだろうか。大相撲に進んだばかりの武州山関について、当時の本学相撲部監督であり、2007年に急逝した松坂憲明氏が「アイツは強いくせに心が優しいから、勝負になっても相手のことを考えて負けちゃうんだ」と、よく嘆いていた。武州山関は「大東文化大学から横綱を出したい」と願う松坂氏の自慢のOBでもあった。教職員に武州山のファンは多い。穏やかな人柄に吸い寄せられるように、学内の行くところ行くところで声をかけられ、とたんに談笑の輪ができ、その場には髷付油の独特の香りが広がる。

武州山関のしこ名は「武州山隆士」。名付け親の松坂氏によると「本名の『隆志』の『心』を取って、名前の最初と最後の文字を合わせると『武士』になる。勝負の場では心を捨てて武士になれ!」という意味があるのだという。
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▲本学を訪れた武州山関(中央)。
市川護理事長(右)、太田政男学長(左)とともに。


 この3月場所は、初日から3連敗の直後に2連勝。その後連敗はなく、14日目に見事に勝ち越しを決めた。すでに十両では最年長。現役力士の中でも2番目のベテランになった武州山関は「年齢的に、次に幕下に落ちたら引退するしかないですね」と淡々と話す。相撲の世界は、年齢やキャリアではなく番付がすべて。次々と現れる有力な若手力士を相手にする現在の立場は、かつて自身が十両に昇進した際「これでもう、ちゃんこ番をやらなくていい」と語っていたのと、まさに正反対の状態にある。

今場所について武州山関は「初日からの3連敗で吹っ切れました。もう最後かもしれないし、勝ち負けを考えずに一生懸命やろうって思ったんです」と語る。しかし、いかにベテランといえど、プロの世界でそうそう簡単に気持ちを切り替え、結果を残せるものなのか。ひょっとしたら、同郷で同い年の高見盛関を相手に3敗目を喫したことが、きっと何かのきっかけになったのだろうと、再度その時の状況を聞いてみた。

柔和な雰囲気が、急に緊張感を持ったものになった。「いや、それは関係ないです。本当に吹っ切れたんです」。視線はこれまでになく、鋭い。その瞬間、武州山関の「吹っ切れた」と松坂氏の「武士になれ」が重なって聞こえた。インタビューはほどなく穏やかな雰囲気を取り戻したが、あの一瞬に武州山関の「武士」をほんの少し見たのだと感じた。

今後について武州山関は「そうそう長くはできそうもない」と控えめに語るが、やっぱり少しでも長く現役の姿を見ていたいし、できることなら、3度目の十両優勝という吉報を耳にしたい、というのがファンの本音だろう。
次の5月場所は両国国技館で5月6日(日)に初日を迎える。

(このインタビューは、授業等の都合によりスポーツ大東編集部部員による取材ができなかったため、急きょ監督の多ヶ谷により行われました)
posted by スポダイ at 09:53| 相撲部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする